自分がフィルムカメラで写真を撮影する理由が急に明確になった
自分の中でフィルムカメラで撮る理由を他人に説明できなかったけど「ああ、なんかこれかも」と、しっくり来たのでそれを書いてみる。
まず写真を撮る時に考えている事
自分は「この場の空気感まで切り取り(撮り)たい」「写真に収めたい」と考え写真を撮る。その結果「フルサイズセンサーのカメラ」と「性能の良いレンズ」で撮ることが増え、結果Canon5Dmk4やLレンズに落ち着いた。
センサーサイズの性能で夜撮ってガビガビになったり、ホワイトバランスが変になったり、収差などで歪んだりすると「空気感」が切り取れていないように感じるから。
しかし、元アリtoキリギリスの石井正則さんのお話を聞いて少し変わった
先日、恵比寿にある写真集食堂めぐたまでの石井正則さんの駄カメラのトークイベントの中でおっしゃっていた一言によりフィルムで撮る意味合いがバチっと来た。
石井正則さんがトークショーの中で
「フィルムで撮影するとその場の光や空気をフィルムに焼き込んでいる」
とおっしゃった言葉がスッと入ってきた。確かにフィルムはその時の光と空気が閉じ込められている。まさしく空気を切り取っていると言っても過言ではない。
フィルム写真は空気を焼き混んでいる、という視点でフィルム写真を見直してみる
この渋谷のこの風景もこの時の光や空気、渋谷の排出ガスまでも、きっとフィルムには焼き込まれている。
この朝の通勤時間の誰かの『会社に行きたくないなぁ』ってため息も焼き込まれているかもしれないし
このもんじゃ焼きの匂いは確実にフィルムに焼き込まれていると思うし
この帰宅ラッシュ時よ「うぉおお、俺は生きて家に帰るんだ!」という熱気もフィルム写真には行きこまれているはずだし
2人ともサンダルなので、きっと暑かったであろう空気もフィルム写真には焼きこまれているだろうし
ファミレスで食べてるポテトフライの油の匂いまでもきっとフィルム写真には焼きこまれてるはず。
見返して見ると、確かにフィルムにはその場の空気と光とその他諸々が焼き込まれ、閉じ込められたんだろうと思った。それを思うとフィルムで撮るのはデジタルとちょっと違うな、と。
この時代、フィルム代も現像代もいろいろとお金がかかるフィルム写真は、そういうデジカメ(デジタルカメラ)では残せない、その場の空気まで焼き込めるから、その分の手数料と考える事にする。